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隠岐周辺を海底調査へ メタンハイドレートで今夏エネ庁 15年度予算案決定

 経済産業省資源エネルギー庁が今夏、次世代資源メタンハイドレートの埋蔵が有力視される島根県隠岐周辺の海底調査に乗り出す方向で検討していることが14日、分かった。地質サンプルの採取で存在を確かめて資源量を把握し、採掘地としての適性を判断する。

 2015年度予算案に、隠岐周辺を含む日本海側の調査費として約30億円を計上した。14年度補正予算案の約20億円と合わせ15年度の事業費は約50億円となり、単年度としては過去最高。隠岐東方など少なくとも10地点が対象となる。

 調査を担う明治大ガスハイドレート研究所(東京)によると、隠岐は7月にも着手。3地点で海底から深さ約100メートルまでの地層を採取する。周辺ではエネ庁が昨年12月、埋蔵の可能性がある地形「ガスチムニー構造」が見つかったと発表している。

 ハイドレート調査はガス産出試験に成功した太平洋側が先行。日本海側では秋田、山形両県沖と上越沖で存在が確認された。同研究所の松本良代表は「隠岐も他の地点と同じ程度の潜在力を秘めている」とみる。

 エネ庁は新年度、実用化に向けて低コストの掘削法の研究を始める。(樋口浩二)

メタンハイドレート
 天然ガスの主成分メタンと水が結合した物質で「燃える氷」と呼ばれる。日本近海に国内の天然ガス使用量の約100年分が存在するとされる一方、低コストな採掘技術の確立が課題。採掘に伴う環境被害を懸念する声もある。

(2015年1月15日朝刊掲載)

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