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広島の被爆2世 医師の会が発足 核兵器廃絶「次代へ」

■記者 衣川圭

 広島県内の被爆2世医師の会が30日、発足した。来年8月に広島市である核戦争防止国際医師会議(IPPNW)世界大会で原爆被害の実態を伝える。同県の被爆医師がけん引した核兵器廃絶の取り組みを次代につなぐ。

 西区の広島医師会館での設立総会に約30人が出席。放射線影響研究所(南区)の児玉和紀主任研究員が講演し、長年の疫学調査を基に「現時点で2世の遺伝的影響は見られないが、病気の頻度が増す年代になったときの影響を確かめる必要がある」などと話した。

 また、子どもの時に被爆した医師2人の体験を聞いた。討論では、福島第1原発事故を受け参加者から「IPPNWは今後も核兵器だけを扱うのか、生活に関わる核全般を扱うのか」という問題提起もあった。

 発起人の一人で、県医師会の柳田実郎常任理事は「放射線についての医学的知識を広めながら、核兵器廃絶に向けた活動を継承していきたい」と話していた。

(2011年3月31日朝刊掲載)

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