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艦載機移転に最多1019億円 岩国基地で政府15年度予算案 住宅など整備本格化

 政府は2015年度予算案に、17年ごろまでを予定する米海兵隊岩国基地への空母艦載機移転の予算として、過去最多の1019億3700万円(契約ベース)を盛り込んだ。うち32・1%の326億7100万円は愛宕山地域開発事業跡地(岩国市)での関連施設整備に振り向けられ、米軍住宅などの整備が本格化する。

 契約ベースの金額は防衛省が15年度に新たに発注する工事や設計業務の総額で、事業規模を示す。15年度は、14年度当初の902億7900万円から12・9%増え、初めて1千億円を超えた。受け入れ工事は最終盤に差し掛かっており、金額は15年度がピークとなる見通しだ。

 内訳では、愛宕山地区での米軍家族住宅と運動施設などの整備への配分が14年度当初の35億5600万円の9・2倍に膨らんだ。住宅約130戸と陸上競技場を今後3年間で、野球場を同2年間で、それぞれ整備する。

 基地内でも、家族向け住宅約370戸が3年間で建設される。受け入れ工事の内容は、格納庫や駐機場など部隊の運用に必要な施設から、保育所などを含めた生活関連施設に軸足が移っている。

 移転に備え、岩国市の米軍施設「祖生(そお)通信所」の使用再開に向けた工事費も盛り込まれた。日本海や四国沖の訓練空域を使用する米軍機が岩国基地と通信する場合に備え、2年間で鉄塔や通信局舎を整備する。(村田拓也)

(2015年1月15日朝刊掲載)

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