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100億円 29事業を想定 米軍再編 山口県に新交付金 

 在日米軍再編で基地負担が増えるとして政府が2015年度から山口県に支払う新たな交付金で、県が19年度までの5年間で100億円の配分を想定し、米海兵隊岩国基地がある岩国市と周辺で県道拡幅や河川の氾濫防止など計29事業を計画していることが15日、分かった。文化ホールのリニューアルや交番の移転新築、県立高教室へのエアコン設置などにも活用する。

 新交付金は岩国市と同県和木、周防大島町の1市2町でハード事業に幅広く使える。29事業の市町別内訳は岩国市が19事業(計65億円)と最も多く、周防大島町8事業(計30億円)、和木町2事業(計5億円)。

 29事業のうち6事業が県道改良で、拡幅やトンネル新設を進める。河川改修が5事業で、川底の掘削などに取り組む予定でいる。

 このほか岩国市では、文化ホール「シンフォニア岩国」で舞台音響のデジタル化などを計画。年末年始などに混雑する岩国錦帯橋空港の駐車場立体化、岩国港にクルーズ船を誘致するための基盤整備にも充てる。

 周防大島町では大島幹部交番の移転新築や伊保田港のポートビル改修、周防大島高の教室棟建て替えなど、和木町では蜂ケ峯総合公園への交流施設整備などを想定する。

 県は15年度当初予算案で、同年度に受け取る新交付金18億5200万円を29事業に振り向ける。新交付金を一時的に入れておく二つの基金も設ける方針だ。

 新交付金は、米軍再編に伴い航空機40機、人員が千人を超えて増える防衛施設のある都道府県が対象。15年度は山口県だけに支給される。岩国基地には14年8月、米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)からKC130空中給油機15機が移転。17年ごろまでには米海軍厚木基地(神奈川県)の空母艦載機59機が移転を予定する。(村田拓也)

(2015年1月16日朝刊掲載)

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