×

ニュース

ドーム世界遺産化紹介 東京書籍 生徒自ら歴史調査

■記者 山本洋子

 2012年度からの中学校用教科書の検定に合格した東京書籍(東京)の歴史教科書で、生徒が自らの地域の歴史を調べる形で原爆ドームの世界遺産登録が紹介された。学習指導要領の「身近な地域の歴史を調べる」という単元の一環。

 AB判、264ページ。古代から近代までの章ごとに「わたしたち歴史探検隊」と題して、生徒が地域の史跡や資料を調べて成果を発表する特集コーナーを設定。原爆ドームは、第6章「二度の世界大戦と日本」で計4ページ掲載された。

 特集の中では、広島大付属東雲中(広島市南区)の生徒6人が原爆資料館や中国新聞社などを訪問。関連記事や写真を基に、1915年に建造された物産陳列館(広島県産業奨励館)が、1996年に原爆ドームとして世界遺産に登録されるまでをたどった。

 白血病のため16歳で亡くなった楮山ヒロ子さんの日記をきっかけに、60年代に広がったドーム保存運動なども紹介し、同世代が共感しやすい工夫もしている。和田直久・中学社会編集副編集長は「戦火を繰り返さぬため、生徒自身の主体的な学びを育てる題材にしてもらいたい」と話している。

(2011年3月31日朝刊掲載)

年別アーカイブ