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放射線医療 広島で研修 HICAREとIAEA 15ヵ国医師ら

 広島県や広島大など10機関でつくる放射線被曝(ひばく)者医療国際協力推進協議会(HICARE)は19日、国際原子力機関(IAEA)と合同で、放射線医療の研修会を広島市中区で始めた。IAEAとの共同開催は2013年以来3回目で、昨年5月に協働センターに指定されて以降初めて。米国や中国、タイなど15カ国計27人の医師や研究者が22日まで学ぶ。

 協働センター指定を受け、海外からの参加者が1回目の9人、2回目の12人から大幅に増えた。初日は中区のホテルで、最先端のがん治療などについて専門医たちが講義した。HICAREの大久保利晃会長は「意義ある研修にしてください」とあいさつ。福島第1原発事故後に放射線量測定チームを現地に派遣した実績や、原爆が投下された広島の歴史を説明した。

 モンゴルのビャンバスーリン・マクサル医師(42)は「高度な放射線治療は、母国では一般的でない。知識や技術を持ち帰りたい」と話した。20日以降は、講義のほか、放射線影響研究所(南区)や原爆資料館(中区)見学を予定する。

 協働センターは、放射線医療の分野でIAEAと協力して人材育成や情報共有を進める組織。(新谷枝里子)

(2015年1月20日朝刊掲載)

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