×

ニュース

70年目の夏 東京で写真展 ヒロシマ・ナガサキ 直後の60点

 「被爆から70年―知っていますか! ヒロシマ・ナガサキの原子爆弾」と題した写真展が8月、東京都内で開かれる。あの日の惨状を節目の夏にあらためて知ってもらおうと、日本写真家協会(田沼武能会長)などが準備を進めている。

 広島、長崎の被爆直後を記録した約60点を展示する。中国新聞カメラマンの故松重美人氏が写した、被爆直後の広島・御幸橋西詰めに身を寄せる被爆者たち。広島の空を覆っていく原子雲は、故深田敏夫氏がさく裂から5~10分後に写した。熱線に焼かれた背中(故尾糠政美氏撮影)長崎市内で炊き出しのおにぎりを持つ母と子(故山端庸介氏撮影)など、いずれの写真も時を超え、惨状を生々しく語りかける。

 8月4日から30日まで、千代田区の日本カメラ財団のフォトサロンで。広島、長崎など国内各地や海外での開催も検討している。協会はこれら写真のフィルムを人類史の重要な記録として国の文化財やさらに国連教育科学文化機関(ユネスコ)の記憶遺産への登録を目指す考えであり、ネガや原板の保存の重要性も訴えたいという。

 同協会専務理事で尾道市出身の写真家松本徳彦さん(79)は「あの日何が起きたのか、事実をとらえた写真から見つめ直してほしい」と話している。(田原直樹)

(2015年1月21日朝刊掲載)

年別アーカイブ