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福島第1原発 格納容器に窒素注入 政府・東電 水素爆発回避へ検討

 福島第1原発事故で政府と東京電力が、水素爆発の懸念が依然消えていないとして、原子炉格納容器に不活性ガスの窒素を注入することで水素を追い出し、爆発の危険性を軽減する「窒素パージ」と呼ばれる措置を検討していることが1日、分かった。政府関係者が明らかにした。

 1号機と3号機の建屋は水素爆発で既に破壊されている。今後、炉心損壊・溶融で生じた水素が格納容器内にたまり、水素爆発が発生、原子炉が破損する恐れも否定できず、窒素パージはこれを回避するための措置。事故対応は「長期戦」(菅直人首相)の様相が色濃くなる中、水素爆発の危険性を極力排除し、炉心の冷温停止を目指す。

 関係者によると、格納容器内に従来あった窒素が、炉圧上昇に伴って行われた蒸気排出の緊急措置「ベント」によって減少している可能性があり、窒素を新たに注入することで水素爆発の防止に努める。

 ある原子炉の専門家は「窒素パージ検討は、水素爆発への懸念が依然あることを示している。水素と酸素が混合して爆発する恐れもゼロでなく、それを軽減する措置だ」と指摘している。

(共同通信配信、2011年4月2日朝刊掲載)

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