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アートで示す核兵器廃絶 絵本の挿絵 20点選考 今月末に出版

■記者 金崎由美

 核兵器廃絶への道筋を表現しようと、広島市の若者グループ「プロジェクト ナウ!」が制作している絵本の挿絵選考会が4日、中区のギャラリーであった。現代美術家が、寄せられた作品を審査した。

 大学生やイラストレーター志望の若者たち53人が油彩画、オブジェなど80点を寄せた。オブジェは写真撮影し使用するという。東北芸術工科大の宮島達男副学長が20点を選考。「どの作品も核の問題と向き合おうとするエネルギーが伝わってくる」と感心していた。

 本は、核兵器を開発するのも廃絶するのも人間の意思によると説き、廃絶への道筋として核兵器禁止条約の締結を呼び掛けている。各国の核兵器保有数などのデータも掲載する。

 広島市長が会長を務める平和市長会議のキャンペーンに協力してきた安彦恵里香代表(32)が企画。知り合いの宮島副学長に協力を依頼した。安彦さんは「みんなの多様な思いがにじみ出る、素晴らしい本ができそう」と手応えを感じている。4月末に出版し、市内の書店で販売する。

(2011年4月5日朝刊掲載)

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