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イカナゴ高濃度ヨウ素 厚労省、魚も基準値検討

 茨城県北茨城市の平潟漁協は4日、同市沖で1日に採取したコウナゴ(イカナゴ)から、1キログラム当たり4080ベクレルの放射性ヨウ素が検出されたことを明らかにした。

 ヨウ素の暫定基準値は根菜、芋類を除く野菜類が2千ベクレルと定められているが、魚類については基準値がない。厚生労働省は4日、茨城県側に食用にしないよう要請。新たに基準値を定める方向で検討を始めた。

 厚労省は「放射性ヨウ素は魚に蓄積されず、暫定基準値は必要ないという原子力安全委員会の見解を覆す結果だ」としている。

 平潟漁協によると、コウナゴは水揚げする漁港が被災したため、当面は漁の予定はないという。引き続き魚種を変えて検査していく方針。

 コウナゴからは放射性ヨウ素のほか、1キログラム当たり500ベクレルとの暫定基準値が定められている放射性セシウムのうち、セシウム134が250ベクレル、同137が197ベクレル検出された。

 一方、茨城県鹿嶋市や日立市沖、高萩市沖で3月31日に採取されたヤナギカレイ、アナゴ、ヤリイカ、ヒラメからは35~13ベクレルの放射性ヨウ素を検出。セシウムはいずれも検出されなかった。

 平潟漁協は「問題ない数値と考えている。5日からでも出漁したい」としている。

(共同通信配信、2011年4月5日朝刊掲載)

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