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「原爆の絵」基町高に賞 広島ユネスコ 平和活動を評価

 美術部を中心に、被爆者から聞き取った体験談を基に「原爆の絵」を描き続けている基町高(広島市中区)が、平和活動や国際交流に功績のあった団体に贈られる、本年度の広島ユネスコ活動奨励賞に選ばれた。被爆70年を前に、同部員は「絵を通じて、平和と向き合う機会が広がれば」と願っている。

 同校は原爆資料館(中区)の依頼で2007年度から、被爆直後の惨状を題材にした絵画の制作を続けている。大やけどを負った幼児、服に染み込ませた泥水を与える少年、火の海となった街で立ち尽くす人…。被爆者と膝を突き合わせて証言を聞く。制作中も色彩や構図が合っているかなど助言を受けながら完成させる。

 これまで卒業生を含め53人が計56点を仕上げ、同館に寄贈。モデルとなった被爆者が証言活動に利用している。3年神垣優香さん(18)は「多くの命が奪われた惨状を想像し、恐怖や悲しみが湧いてきた。被爆者の見た光景に少しでも近づけることで、見た人に平和の尊さをかみしめてほしい」と話している。(加茂孝之)

 他の受賞校・団体は次の皆さん。

 【学校部門】長束小(安佐南区)畑賀小、矢野南小、阿戸中(以上安芸区)井口高(西区)【社会部門】NPO法人セトラひろしまグリーンプロジェクトチーム(中区)劇団「花子ちゃんとそのお友だち」(府中町)里山環境保全みどり会(安佐南区)NPO法人虹橋の会(西区)広島フィリピン友好協会(南区)正木地区ホタルの里復元会(安佐北区)

(2015年1月31日朝刊掲載)

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