×

ニュース

生態系保全探る 住民らがシンポ 山口県上関

 中国電力上関原発(山口県上関町)計画の建設予定地の生態系保全を考えるシンポジウムが31日、上関町の中央公民館であった。計画反対派の住民団体「上関の自然を守る会」が主催し、約150人が参加した。

 有識者や住民たち4人がパネリストを務めた。京都大原子炉実験所の今中哲二助教は、チェルノブイリと福島第1原発事故の放射能汚染を踏まえ「上関に原発が建てば、地域社会が丸ごとなくなるリスクを広範囲に背負う」と指摘。予定地の生態系を研究する京都大大学院の加藤真教授は「温排水の影響も懸念される。瀬戸内海の聖域を壊してはならない」とし、計画中止を呼び掛けた。

 守る会と同町祝島の住民たちは、山口県が中電に交付した公有水面埋め立て免許の取り消しを求め、山口地裁でそれぞれ係争中。地裁の現地検証の実現を望む署名活動を4月末を当面の期限として同日始めた。

(2015年2月1日朝刊掲載)

年別アーカイブ