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秋葉広島市長が退任 3期12年 核廃絶 発信に尽力

■記者 金崎由美

 広島市の秋葉忠利市長が7日、任期を終え退任した。最後の公務として平和記念公園(中区)で原爆慰霊碑に花束をささげ、3期12年の秋葉市政の幕を閉じた。

 秋葉市長は、市役所講堂で職員約300人に講演。財政再建の実績や平和市長会議の加盟都市数を約10倍に増やした成果を振り返り「誠心誠意、市民と広島市のため一緒に仕事ができたことは光栄です」と感謝した。

 市役所ロビーで職員から花を贈られた秋葉市長は、笑顔で車に乗り込んで平和記念公園に向かい、慰霊碑に花束をささげた。その後、市長をねぎらおうと集まった支持者から「アキバ」コールが起き、秋葉市長は「皆さんに支えられた12年間だった」と語った。

 秋葉市長は、米タフツ大准教授や広島修道大教授を経て1990年に衆院議員に転身。3期目に社民党を離党し、99年の市長選に初当選、連続3期務めた。

 任期中は核兵器廃絶の世界的発信に尽力。昨年8月、「アジアのノーベル賞」といわれるマグサイサイ賞を受賞した。一方で主導した広島五輪構想は市民の賛同が広がらず、市議会との対立も絶えなかった。11日からは広島大の特任教授に就く。

(2011年4月8日朝刊掲載)

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