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島根原発事故想定 防災計画を見直しへ 溝口知事 30キロ圏市町と連携

■記者 樋口浩二

 島根県の溝口善兵衛知事は11日、中国電力島根原子力発電所(松江市鹿島町)の事故を想定した地域防災計画について、原発の周辺市町と連携して新たな計画を策定することを明らかにした。福島第1原発事故で半径30キロ圏内が避難指示、屋内退避区域となったのを受け、より広域的な避難計画が必要と判断した。

 連携するのは島根原発から半径30キロ圏内の自治体。県内の松江市、出雲市、安来市、雲南市、東出雲町、斐川町に加え、鳥取県の境港市、米子市の計6市2町。溝口知事は、鳥取県を含めて定期的な会議を開き、できるだけ早く計画を策定する考えを示した。  30キロ圏内で30万人以上とみられる対象住民を把握し、避難ルートや避難場所、輸送手段などについて検討する。緊急時に避難が困難な高齢者たちの人数なども精査する。溝口知事は、避難場所の確保については「広島県も対象となる」とした。

 また、島根県庁が島根原発から約9キロ南東に位置しているため、災害時の代替拠点施設の候補も探る方針でいる。

 この日県庁で記者会見し、明らかにした。また、島根原発で停止中の1号機と、来年営業運転開始を予定する3号機について「今までの(安全)基準でいいということにはならない」と述べ、福島第1原発事故を踏まえた国の判断を待つ意向を示した。

島根県地域防災計画
 災害対策基本法と原子力災害対策特別措置法に基づき、県が策定。災害の予防策、災害発生時の住民への情報伝達法などを盛り込む。中国電力島根原子力発電所での事故を想定した計画は、1号機稼働前の1970年に策定。改定を重ねているが、事故発生時の避難場所などは明記していない。

(2011年4月12日朝刊掲載)

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