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津波・原発 福島の苦悩 詩人和合さん 山口で講演

 東日本大震災後の福島の思いを詩にして短文投稿サイト「ツイッター」などで発信している福島市の詩人和合亮一さん(46)が6日、山口市矢原の大歳小で講演した。児童や市民約130人が耳を傾けた。

 和合さんは、迫り来る津波を「真っ黒い壁が迫ってくるようだった」と語った被災者の話を紹介。「いつまでもそばにあると思っていた古里が、黒い波に奪われた人がたくさんいた」と話した。

 福島第1原発事故による放射能汚染が招いた被害に触れ、「根こそぎ奪っていく津波でも大地は残る。放射能は行くことさえもできない場所をつくった」と述べた。卒業を控える6年生には「卒業できることの意味を考えて」とメッセージを送った。

 和合さんは1999年の中原中也賞受賞を契機に、山口市民との交流を続けている。講演は大歳自治振興会が、友達や命の大切さを知ってもらおうと企画した。(宮野史康)

(2015年2月7日朝刊掲載)

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