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東日本大震災 廃虚の郷里 写真で語る 中区でNPO活動報告会

■記者 馬上稔子

 東日本大震災の被災地支援を続けるNPO法人ピースビルダーズ(広島市中区)が14日夜、現地での活動報告会を開いた。スタッフと出会った福島県浪江町在住のシンガー・ソングライター門馬よし彦さん(32)が、自らの被災体験や、被爆地広島への思いを語った。

 門馬さんは、福島県郡山市で仕事中に被災。浪江町にいた両親や祖母、妹夫婦は無事だったが、海岸近くの自宅や周りの建物は津波に流されたという。

 中区の広島国際会議場での報告会には約20人が集まった。門馬さんは、知人を捜すため戻った時に撮影した、廃虚となった郷里の写真約40枚を見せ、時折言葉を詰まらせた。3月22日から避難所でライブを始め、福島、岩手など4県の計約30カ所を巡って被災者を励ましてきた。

 福島第1原発事故を受け「東京に避難した友人には、いわれのない差別を受けた人もいる」と門馬さん。「初めて広島を訪れ、被爆から復興した街の姿を見てほっとした。放射能汚染に不安を感じている人たちに助言してほしい」と訴えた。

 15日にはスタッフらが今後の活動を話し合った。各地に避難中の住民間のネットワークを築くなど長期的支援の必要性を確認した。

(2011年4月16日朝刊掲載)

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