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被爆者 「脱原発」訴え ピースボートの船帰港

■記者 岡田浩平

 非政府組織(NGO)ピースボートの大型客船で13カ国14都市を巡り、被爆証言をした広島と長崎の被爆者8人が18日、横浜港に帰港した。航海中に起きた福島第1原発の事故に対する世界の関心の高さを体感し、脱原発議論を呼び掛けた。

 参加者は1月23日に横浜港を出港。東日本大震災が起きた3月11日以降は、放射線被害を受けた被爆者として原発についての考えを聞かれ、メディアの取材も殺到したという。

 帰港後の会見で、呉市の山中恵美子さん(77)は「被爆国が原発事故で他国に心配をかけるのは恥ずかしい」と率直な思いを吐露。広島県府中町の平井昭三さん(81)も「原発は漠然と安全だと思っていたが核兵器に変わり得ると知った。原子力ではないエネルギーへ転換を」と強調した。

 また、ピースボートに各国から募金や物資も寄せられた。平井さんは「『日本よ頑張れ』という声を多く聞いた。世界のために日本がどう立ち上がるか、みんなで真剣に考えたい」と話した。

(2011年4月19日朝刊掲載)

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