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「回天」搭乗員の気持ち考えて 「特攻の島」佐藤さん 周南で講演

 旧日本軍の特攻兵器「回天」の搭乗員を描く漫画「特攻の島」作者の佐藤秀峰さん(41)の講演会が13日夜、周南市市民館であった。同市の大津島に訓練基地の遺構が残る回天の史実を伝えようと、周南観光コンベンション協会が取り組む「平和の島プロジェクト」の一環。約350人を前に、作品に込めた思いなどを語った。

 佐藤さんは、回天に関する数十冊の本を読み、大津島などを訪ねた取材活動を説明。元搭乗員に話を聞き「特攻は間違った作戦だとは思うが、家族のために志願した当時の若者の気持ちを簡単に否定できないと感じた」と振り返った。

 「主人公への応援は、敵を殺すことにつながる。読んだ後、その気持ちについて考えられる内容にしたい」と、作品に込めた思いを明かした。会場からの「大津島を訪れる人を増やすには」との質問に答え、「遺構としての高い価値を地元から発信してほしい」と呼び掛けた。(桑田勇樹)

(2015年2月15日朝刊掲載)

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