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「原爆ドームは危機遺産にならぬ」 かき船移転計画なら 広島市が認識

 広島市議会は20日、総括質問を続けた。市は、中区の元安川にある船上飲食店、かき船「かなわ」の原爆ドーム南約200メートルへの移転計画で世界遺産のドームが「危機遺産」になる可能性はないとの認識を示した。

 経済観光局の谷本睦志局長は、国連教育科学文化機関(ユネスコ)世界遺産委員会が危機遺産に認定する事例として、世界遺産条約では「急速に進む損壊」「大規模な公共事業や観光事業などによる滅失の危険」などを挙げていると指摘。「移転によってドームが条約に規定されるような状態になることはないと考えている」と述べた。

 移転計画をめぐっては、1月に世界遺産選定の調査や評価に当たる国際記念物遺跡会議(イコモス)の国内組織、日本イコモス国内委員会(東京)が懸念を表明した。反対する市民団体「かき船問題を考える会」は危機遺産となる可能性を指摘している。(菊本孟)

(2015年2月21日朝刊掲載)

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