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原爆症認定 長期審査待ち解消へ 厚労省方針

■記者 岡田浩平

 原爆症認定審査が遅れている問題で厚生労働省は25日、本年度中に長期審査待ちの解消を図る方針を示した。

 計画では2010年度までの申請約3千件を2011年度に優先して審査。うち2400件は2010年度の申請分だが、中には06年度の申請分も残っているという。2011年4月以降の申請も資料が整い次第、審査を進めて年度内には月200件前後の申請件数と処理件数が釣り合うようにする。

 10年度当初は審査待ちが約6900件もあったため厚労省は昨年5月、審査待ちの解消計画を提示した。医師らの審査会に2部会を増やすなどして年間6千件以上の審査を目標に設定。その結果、1435件を認定し、5千件を却下した。

 ただ原爆症認定をめぐっては、厚労省が設けた有識者の検討会で見直し議論が始まっている。東京都原爆被害者団体協議会(東友会)の飯田マリ子会長(79)は「審査のスピードだけでなく、きちんと認定されるかが問題だ。却下のための審査になってはならない」と懸念している。

(2011年4月26日朝刊掲載)

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