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「原発新設に歯止めを」 独物理学者が祝島訪問 山口

 放射線に詳しいドイツの物理学者セバスチャン・プフルークバイル博士(67)が24日、中国電力が上関原発の建設を計画する山口県上関町を訪れた。反対派の拠点、祝島などを巡り、「放射性廃棄物の処分問題など原発は欠点が多い。これ以上、増やすべきではない」と指摘した。

 博士はドイツ政府の放射線防護局の元局長。現在はドイツ放射線防護協会会長を務め、チェルノブイリ原発事故などでの放射線を原因とする健康被害が専門。海外ボランティアとして日本に滞在するドイツの若者約20人を連れて訪問した。

 建設予定地を対岸に望む祝島では、反対派住民が事故への不安や漁業への影響を訴えた。町保健センターでは、町職員から雇用や国交付金など財政的なメリットを期待する原発誘致の背景について説明を受けた。

 ドイツは福島第1原発事故を機に脱原発へ転じた。博士は「ドイツは風力など自然エネルギーの比率が高い。技術力のある日本でも実現できるはずだ」と話した。(井上龍太郎)

(2015年2月25日朝刊掲載)

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