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被爆70年 核廃絶の転機に 原水協 「ビキニ」全国集会開幕

 静岡県焼津市のマグロ漁船第五福竜丸が米国の水爆実験で被曝(ひばく)して61年となるビキニデー前に、日本原水協の全国集会が27日、2日間の日程で静岡市駿河区で始まった。初日は国際交流会議があり、原爆投下から70年のことしを核兵器のない世界への転機にする方策を議論した。

 会議には3カ国の海外ゲストが参加。米国のアメリカフレンズ奉仕委員会のジョゼフ・ガーソン氏(68)は、4月末にニューヨークで開幕する核拡散防止条約(NPT)再検討会議の重要性を強調。「核兵器のない世界を望む市民社会の意志をはっきり示せば各国を巻き込める」と呼び掛けた。

 韓国の「参与連帯」の李美賢(イ・ミヒョン)氏(35)は、北朝鮮の核実験による韓国内の緊張状態を説明した。「米国の核の傘は、核攻撃の危険を増やす可能性がある」と述べ、日韓両国が北東アジアの非核化を主導すべきだ、と主張した。

 ビキニ水爆実験で住民86人が被曝したマーシャル諸島・ロンゲラップ環礁出身のピーター・アンジャイン氏(42)は、実験後にがんや異常妊娠が相次ぎ、やむを得ず離島した住民の苦難の歴史を紹介した。「汚染された土地や失われた文化は元通りにはならないが、核の悲惨さを繰り返さないことはできる」と訴えた。

 28日は、焼津市などで全体集会と分科会がある。(藤村潤平)

(2015年2月28日朝刊掲載)

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