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平和教育に独自教材 市教委 モデル校で来年度にも

■記者 教蓮孝匡

 広島市教委は、市立小中高校の平和教育の授業で使う独自のテキストやCDを初めて作る。戦後66年目を迎え、被爆体験の継承や国際課題への理解の必要性が高まる中、共通の教材を使った教育プランで学習効果を高める。来年度からモデル校での試用を目指す。

 5月に大学教授や原爆資料館職員、校長たちで構成する作成委員会を設置。学年ごとの学習範囲を定め、テキストの内容を議論する。

原爆投下までの歴史や投下後の被害、核兵器廃絶に向けた世界の取り組みのほか、人権や貧困の問題も盛り込む方針だ。被爆前後の広島の写真などを収めたCDも作る。

 市教委は平和教育について、子どもの発達段階に応じた内容選択▽各教科を関連させた指導―などの基本指針を設けている。一方、学習内容や教材の選択は各校に任せており「学校によって子どもの理解度に差がある」との見方が出ていた。

 長崎市は2003年度に小学5年用と中学2年生用の教材を作り、毎年内容を更新している。広島市教委指導第2課の登民夫課長は「世界平和の実現に寄与できる力を育みたい」と説明。被爆地の子どもが平和について体系的に学べる態勢づくりの必要性を強調している。

(2011年4月30日朝刊掲載)

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