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社説・コラム

天風録 「与党のブレーキ」

 <政治とカネってなんだろう?>と名付けたページが公明党のサイトにある。献金疑惑の議員を表すどくろの絵に、円の印「¥」が付いている。お金の亡者という謎掛けだろうか。随所にわさびが効いている▲ロッキード事件をはじめ、自民党の歴代の疑惑もまな板に載せる。民主党のカネ問題に及んだ筆は、「これでは自民党と何ら変わるところはない」と友党もろとも、ばっさりと斬っている。結党の原点とうたう「清潔政治」は譲れぬ一線に違いない▲その自民党で、それも閣僚をめぐり、政治とカネの疑惑が立て続けに浮上している。公明党の代表や幹事長から辛口コメントが聞こえてこないのは、いったいどうしたものか。盟友だからこそ苦言を呈すべきときにも思えるのだが▲自他ともに認める、与党のブレーキ役だったはずである。そんなに手に余るほど、政権のアクセルが吹かし気味ということなのだろうか。安保法制の与党協議でも、はた目には押しまくられている印象が拭い切れない▲もう一つの看板は、平和の党にほかならない。民意の大道からそれぬように、歯止めをかけられるかどうか。ぴりりと辛い役どころの、ここが踏ん張りどころである。

(2015年3月1日朝刊掲載)

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