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「政府先頭で核廃絶を」 静岡で原水協・禁 ビキニデー集会

 マーシャル諸島ビキニ環礁での米国の水爆実験により静岡県焼津市の第五福竜丸などが被曝(ひばく)して61年となった1日、日本原水協などがつくる実行委員会と原水禁国民会議がそれぞれ主催するビキニデー集会が同県内であった。

 焼津市であった原水協などの集会には、約2千人が参加。県原水爆被害者の会の川本司郎会長(78)=静岡市清水区=は、被爆70年の節目に核軍縮の機運が高まっているとして「核兵器全面禁止に向け、日本政府が今こそ世界の先頭に立ってほしい」と訴えた。

 来賓の中野弘道焼津市長は「平和首長会議の一員として核兵器のない世界の実現に取り組む」とあいさつした。最後に、核兵器禁止条約の実現に向け、「ビキニデーを跳躍台に全国の草の根から行動する」とのアピール文を採択した。

 原水禁の集会は静岡市葵区であり、約210人が参加。川野浩一議長は、米ニューヨークで4月末に始まる核拡散防止条約(NPT)再検討会議に関し「核廃絶への日本政府の本気度が問われる」と強調した。

 長崎大核兵器廃絶研究センターの中村桂子准教授も講演で「米国の核の傘に依存する日本などの同盟国の姿勢が鍵を握る」と述べ、廃絶に向けて国内の世論を高める重要性を説いた。

 集会では「核兵器廃絶、脱原発に向けて運動を一層強化する」とのアピール文を採択した。(藤村潤平)

(2015年3月2日朝刊掲載)

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