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「福島を考える人の輪を」 原発事故4年を前にシンポ 広島市中区

 福島第1原発事故から4年を前に、福島の現状や課題を考えるシンポジウムが1日、広島市中区の広島国際会議場であった。西区の市民団体「福島と広島をつなぐ、もみのきの会」が主催し、約180人が参加した。

 西村恵美子代表が「福島を意識し、考える人の輪を広げたい」とあいさつ。福島大の西崎伸子准教授が今も11万人を超える避難者がいることや除染などの状況を報告。「日常が戻ったように見える半面、被曝(ひばく)を話題にしたくないという雰囲気が強まっている」と被災者が抱える難しさを指摘した。

 続く討論では、秋葉忠利前広島市長が「広島も差別を理由に被爆の事実を隠し続けた人たちがいた」と強調。広島を拠点に活動する詩人アーサー・ビナードさんは「福島の本当の今と接点を持つことが重要だ」と呼び掛けた。原爆や福島に伝わる民話の紙芝居もあった。(山本洋子)

(2015年3月2日朝刊掲載)

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