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米軍岩国基地で燃料漏れ 1月中旬 防衛局、山口県に報告せず

 岩国市の米海兵隊岩国基地で1月中旬、KC130空中給油機に燃料を供給する設備の地下配管から大量の燃料漏れが起きていたことが3日、分かった。現時点で基地外への流出はなく、海の汚染や市民生活への影響は確認されていない。施設の工事を発注した中国四国防衛局は「基地の外への流出がなかったため」として、山口県に報告していなかった。

 防衛局などによると、燃料漏れは昨年8月の米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)からの空中給油機部隊移転に伴い、防衛局が発注した工事中の設備で発生。ことし1月20日、米軍に引き渡す前の作動確認で燃料を注入したところ、地下2メートルに埋設した長さ約2・8キロの配管の途中から漏れたという。漏れたのは最大で約1万5千リットルとみられる。

 防衛局は、燃料が混じった土を除去するとともに原因を調査している。市や県によると、基地そばで市が管理する遊水池や付近の海域に異常はないという。工期は3月末までで、延期するかは未定という。

 防衛局は燃料漏れの後、市と岩国地区消防組合に報告したが、県に報告していなかった。村岡嗣政知事は「特異な事案にもかかわらず、報告が無かったのは誠に遺憾」と批判。3日、防衛省岩国防衛事務所に速やかな情報提供を申し入れた。

 防衛局は「申し入れを踏まえ、県に速やかに情報提供するとともに再発防止に努めたい」とコメントした。(野田華奈子、村田拓也)

(2015年3月4日朝刊掲載)

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