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国越えた活動たたえる ヒロシマ平和創造基金 2団体1個人表彰

 国境を越え、地道な国際交流や平和活動を続ける団体や個人に贈る、公益財団法人ヒロシマ平和創造基金の国際交流奨励賞の表彰式が4日、広島市中区の中国新聞ビルであった。広島県内の2団体と1個人に表彰状と奨励金を贈った。

 理事長の岡谷義則中国新聞社社長が手渡した。「被爆70年を迎え、今後も核兵器廃絶や平和を脅かすさまざまな要因の廃絶を訴えていく。国際交流の輪を広げる皆さんの一層の活躍を祈りたい」とあいさつした。

 2007年設立の市民団体「インドチャイ倶楽部(くらぶ)ひろしま」(海田町)は、広島の若者たちがインドで原爆展を開くなどして平和を考える機会をつくってきた。代表のジェームス・ジョーセフさん(58)は「広島からでは届きにくく、海外に出て話してこそ伝わるものがある。今後も支援をお願いしたい」と力を込めた。

 NPO法人「ビザサポートセンター広島」(広島市中区)は、行政書士が中心になり、1999年からビザ取得の問題に悩む外国人向けの無料相談会を開催。代表の益田浩司さん(50)は「国内での交流活動を認めてもらい、うれしい。今後は日本人の国際的な意識も高め、住みよい県をつくりたい」と意気込んでいた。

 「子どもから平和教育を進め、世界に平和の輪を広げたい」と話したのは、団体職員シャムスル・ハディ・シャムスさん(30)=東広島市。原爆の子の像のモデルとなった佐々木禎子さんを題材にした絵本を、昨年から母国アフガニスタンと隣国パキスタンの小中学生に配っている。「広島のように市民も携わって、母国の復興を目指す」という。

 この賞は広島国際文化財団が98年に創設。12年度から基金が引き継いだ。今回は5団体・1個人から応募があった。(山本祐司)

(2015年3月5日朝刊掲載)

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