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谷本チサさん死去 被爆者援護 故牧師の妻 95歳

 国内外で被爆者救援活動に尽くした谷本清牧師の妻、谷本チサ(たにもと・ちさ)さんが4日夜、広島市安佐北区の病院で死去した。95歳。中国遼寧省生まれ。自宅は広島市西区鈴が峰町32の10。告別式は7日午前11時から広島市中区上幟町8の33、広島流川教会で。喪主は長男建(けん)氏。

 チサさんは1942年に谷本牧師と結婚。1945年8月6日は、爆心地から北東約900メートルの中区鉄砲町にあった流川教会牧師館で被爆したが助かった。米国留学経験がある夫が日米の市民に呼び掛け、1955年に実現させた被爆独身女性25人の渡米治療や、親を失った子どもを支援する「精神養子」運動を支えた。牧師が1986年に死去した後は、残された当時の記録を整理、保存。原爆資料館の企画展に貸与したり、被爆当日からの日記の写しを同教会に贈ったりして、被爆地の貴重な記録の紹介にも努めた。

(2011年5月7日朝刊掲載)

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