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原爆小頭症「将来が心配」 相談員と患者・家族 初面談

■記者 増田咲子

 胎内被爆した原爆小頭症患者を支援するため、広島市が4月に配置した専任の相談員が7日、南区役所別館で患者8人やその家族と初めて面談した。病気や親亡き後の生活に対する不安の声が上がった。

 患者や家族、支援者でつくる「きのこ会」(長岡義夫会長)の総会に合わせて面談。相談員で、医療ソーシャルワーカーの河宮百合恵さん(55)が病状や生活の不安を聞き取った。患者の川下ヒロエさん(65)=東区=の母親、兼子さん(89)は「娘が一人になった時が心配。気軽に何でも話せる関係をつくりたい。そうすれば安心できる」と話していた。

 厚生労働省によると、原爆小頭症患者は全国に22人。うち10人が広島市内で暮らしている。一方、4月から始まった小頭症患者の相談事業は、市が事業主体のために「市外の患者へは積極的には関われない」(市原爆被害対策部)という実情もある。

 「国の責任」での相談員の配置を求めてきたきのこ会はこの日、市外の患者へも等しくケアが届くよう市と国にあらためて要望することを確認した。

(2011年5月7日朝刊掲載)

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