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核や放射能とどう向き合う 広島で京都大助教講演

 福島第1原発の事故をテーマにした京都大原子炉実験所(大阪府熊取町)の小出裕章助教(65)の講演会が8日、広島市中区の世界平和記念聖堂であった。「世界中に被害をまき散らしている核や放射能とどう向き合うか、真剣に考えるべき時だ」との主張に、市民約450人が耳を傾けた。

 事故から間もなく4年を迎える。小出助教は「福島の事故は広島原爆の何百発分の放射性物質をまき散らし、今も続いている」と説明。政府が事故を忘れさせようとしていると訴え、「加害者の誰一人として責任を取らずに逃げ延びようとしている。原発を再稼働し、新しく造り、輸出するとも言っており、正気の沙汰ではない」と批判した。

 原発の運転や核兵器の開発で世界中に放射能被害が広がっていると指摘。「核や核兵器を地上からなくさないといけない」と力を込めた。

 講演会は、11月に中区である「2015世界核被害者フォーラム」の事前イベントとして、実行委員会が開いた。(山田英和)

(2015年3月9日朝刊掲載)

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