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和楽器の音色 世界に響け 継承へ子どもら初参加 広島邦楽連盟 国連本部で来月

 広島邦楽連盟(福盛智子会長、60人)は、核拡散防止条約(NPT)再検討会議開催中の4月30日、米国ニューヨークの国連本部で演奏会を開く。広島市などの支援を受け、国連創設・被爆70年の節目に、琴や尺八など和の旋律で平和の大切さをアピールする。国連本部での演奏は、被爆半世紀の時以来20年ぶり。初めて子ども教室メンバーが参加する。(谷口裕之)

 題して、「未来につなぐヒロシマ平和祈念コンサート」。成人会員・スタッフ15人に、子ども教室の現小学1年から高校3年までの女子10人が加わる。まず、着物姿の子ども会員が「さくらさくら」など日本の調べを琴で演奏し、踊りも披露。「かごめかごめ」などのわらべ歌、古典の「千鳥の曲」も聴かせる。

 後半は、成人会員が広島の復興をテーマにした「平和の山河」や「春の海」、東日本大震災犠牲者の鎮魂のため民謡を基に編曲された「東北地方への祈り」などを琴や尺八で奏でる。

 「平和への願いを音楽に乗せて世界に発信する意義を次の世代に引き継ぎたい」。そんな成人メンバーの提案に子どもたちが応え、2月下旬から不動院(東区)で総合練習に励んでいる。

 国連本部でのコンサートの前後には、広島と交流のあるニューヨーク市内の高校と教会の計2カ所でも演奏会を予定している。

 福盛会長(70)は「世界はヒロシマを平和の象徴と見ている。音楽を通じて私たちが果たせる役割を、若い世代にも実感してほしい」と期待。中学1年津能(つのう)朱里さん(13)は「みんなが心から音楽を楽しめる世界に近づくよう、願いを込めて琴を弾きたい」と話している。

(2015年3月9日朝刊掲載)

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