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朝鮮人被爆2世 21日に組織復活 広島 記憶継承や実態調査

 広島県内の朝鮮人被爆者の子どもたちが21日、「朝鮮人被爆者2世の会」を発足させる。36年前に結成された組織は自然消滅しており、ことしの被爆70年に合わせ、県朝鮮人被爆者協議会(李実根(リ・シルグン)会長)が復活を働き掛けた。親世代が老いる中、被爆の記憶をつなぎ、北朝鮮に住む被爆者の実態調査などの活動を支える。

 協議会とは独立した組織として位置付ける。会長には、広島朝鮮学園(広島市東区)の韓政美(ハン・ジョンミ)理事長が就く予定。6、7人の主要メンバーを中心に、2世に参加を呼び掛け、実態把握を進める。他団体と連携し、記憶の継承に努めるという。

 21日は午後1~3時、広島朝鮮学園で発足会を開く。協議会の金鎮湖(キム・チノ)理事長による講演会もある。

 協議会は1975年8月、全国初の在日朝鮮人被爆者組織として発足。40年間、国の援護拡充に向けた訴えや被爆者の調査に取り組んできた。79年に被爆2世組織ができたが、役員が亡くなるなどし、数年で活動を停止したという。

 9日に西区の事務所であった準備会には、協議会役員と被爆2世の計6人が出席し、連携を確認した。韓氏は「原爆や差別に苦しみながらも活動してきた親世代の思いを受け継ぎ、次代に伝えたい」と意気込んでいる。(田中美千子)

(2015年3月10日朝刊掲載)

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