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今後の拠点「未定」4割 広島のアスチカ 震災避難者調査 「県内定住」と同数に

 東日本大震災の被災地から広島県内に避難した人たちでつくる「ひろしま避難者の会アスチカ」は9日、会員を対象にしたアンケート結果を公表した。県内での定住を決めた人が4割に上る一方、今後の予定を決めかねている人も4割を占めた。震災から4年を迎える今も、将来への展望が描けない避難者の実態が浮き彫りになった。(有岡英俊)

 会員118世帯のうち60世帯(50・8%)が回答した。今後の生活拠点については「今住んでいる自治体に定住」「決めていない」がともに23世帯(38・3%)で最も多かった。「その他」が10世帯(16・7%)で続き、「仕事がある所に移住」「原発の稼働状況次第」などを理由に挙げた。「古里ではない自治体に移動」も2世帯(3・3%)あった。

 生活拠点を決めていない理由は「今後の見通しが立っていない」「(原発事故に伴う)子どもの健康不安」などの回答が目立った。定住を決めた理由では「子どもの進学」「生活基盤ができた」などが多かった。

 今後の不安(複数回答)は「健康」が61・7%、「古里にいる親の介護」が31・7%と上位を占めた。今の悩み(同)では「親、親戚、友人に会えない」50・0%、「震災や原発事故が世間から忘れられているように感じる」35・0%が続いた。

 アンケートは昨年に続いて2回目。佐々木紀子副代表は「傾向は昨年と大きく変わらないが、避難者は子どもの進学や親の介護などの問題に直面しながら、今も多くの人が先行きを見いだせていない。今後どんな支援ができるのかを考えていきたい」と話している。

(2015年3月10日朝刊掲載)

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