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上関町総合文化センター5月開業 原発財源不透明 規模を縮小 山口

 山口県上関町の柏原重海町長は9日、同町室津に建設している町総合文化センターを5月1日にオープンさせると明らかにした。中国電力の上関原発建設計画が不透明となったため、規模を縮小した。

 鉄筋2階建て延べ2435平方メートル。1階はステージを備えた255人収容の多目的ホールと研修室、調理室、2階に町内初の図書館を設ける。近くの中央公民館はセンター内に機能を移す。

 2013年9月に着工し、総工費は10億500万円。うち9億1千万円に国の原発関連交付金を充てた。

 町は当初、11年度着工を目指し、延べ3075平方メートルの施設を計画。原発着工以降に配分される交付金を維持運営費に充てることを想定した。だが福島第1原発事故後に国の原発政策が不透明となり、準備工事も中断。規模縮小を迫られた。町は事業費の圧縮額を約2億円と説明する。

 町は原発財源を活用し、温浴施設「上関海峡温泉 鳩子の湯」と道の駅「上関海峡」も周辺に整備。柏原町長は「活性化の相乗効果が期待できる」と述べた。4月28日に竣工(しゅんこう)式を開く。(井上龍太郎)

(2015年3月10日朝刊掲載)

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