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免震重要棟で訓練 島根原発 中電が初公開 事故備え330人

 中国電力は10日、島根原子力発電所(松江市鹿島町)の事故に備えた訓練を同原発と安来市の計2カ所で実施した。昨年10月に建設工事を終え、事故時の指揮命令拠点となる免震重要棟での訓練を初めて公開した。

 同原発や中電本社(広島市中区)の約330人が参加した。鳥取県西部を震源とする地震が発生し、運転中の同原発2号機の冷却機能が失われた―と想定。免震重要棟内に設けた対策本部で、同原発の北野立夫所長たちが原子炉の状態をモニターで確認しながら、現場へ緊急時の対応を指示した。現場からの情報を本社と共有する手順も確かめた。

 この日、原発南東約25キロの広瀬中央公園(安来市)に原発事故対応の支援拠点を設ける訓練も実施。作業車両に付着したと想定した放射性物質を洗い流す除染作業をした。

 海抜50メートルの高台にある免震重要棟(鉄筋3階建て延べ約4900平方メートル)は、昨年10月に建物が完成。外部からの補給がなくても300人が1週間活動できるよう食料などを備蓄しているという。

 周辺自治体からは島根、鳥取両県と松江、出雲、安来、雲南、米子市の職員計18人が訓練を視察した。(秋吉正哉)

(2015年3月11日朝刊掲載)

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