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中国地方に避難 1944人 東日本大震災・原発事故 健康への不安 今も

 東日本大震災や福島第1原発事故に伴い、中国地方5県へ避難したり、生活の拠点を移したりしている被災者は、2月末までの各県のまとめで計1944人になることが分かった。前年同期のまとめに比べ20人減った。故郷に戻る避難者が増えた一方、震災から4年になる今も原発事故の影響で健康に不安を抱える人も多いとみられる。(有岡英俊)

 鳥取の1月26日現在を除き、他の4県は2月末現在で集計した。県別では、最も多い岡山が1120人で74人増えた。広島437人(30人減)、鳥取170人(13人減)、山口122人(26人減)、島根95人(25人減)と続く。避難前の居住地でみると、福島が最多の799人。宮城は221人、岩手は40人で、東北3県が5割強を占める。

 広島の避難者の支援窓口である広島市被災者支援ボランティア本部の坂本泉本部長は「避難者は減少傾向だが、震災から4年で生活を立て直す人がいる一方、古里に帰るかどうか迷っている人も多い」とみる。

 発生翌年の2012年同期のまとめと比べると、5県で計237人増えた。広島、山口、島根、鳥取の4県で計237人減ったが、岡山は474人増えた。岡山は、保養に訪れる被災者を継続的に受け入れ、避難者同士の交流会を開くなどの支援活動が活発で、関東からの避難者が目立つという。

 原発事故の避難者たちを支援する岡山市の市民団体「子ども未来・愛ネットワーク」の大塚愛代表(41)は「原発事故後の健康不安はいまだに大きく、避難や移住が増えている」とみている。

(2015年3月11日朝刊掲載)

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