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科学の誤用と過信 背景 福島原発事故 益川博士が指摘 東日本大震災4年

 きょうで発生から4年となる福島第1原発事故は科学技術の在り方を重く問い掛けた。その教訓は生かされているだろうか。ノーベル賞受賞者の益川敏英さん(75)=京都市=が3・11に合わせ、中国新聞のインタビューに応じた。

 ことしは被爆70年でもある。原発事故と原爆投下はともに未完成の技術が暴走した結果だとして「科学の誤用や過信、さらに政治の動きが原因となって悲惨な状況がもたらされた」と分析。今こそ研究者の社会的責任や倫理観が問われていると強調した。

 益川さんは2008年にノーベル物理学賞を受けた。ことし11月に長崎市で開かれるパグウォッシュ会議の日本側の中心を担うなど核兵器廃絶に向けた運動を続けている。(論説委員・東海右佐衛門直柄)

(2015年3月11日朝刊掲載)

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