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反戦の心 語り継ごう 民喜と御庄さんしのぶ会 広島市中区

 広島市出身の被爆作家原民喜(1905~51年)を顕彰する「広島花幻忌の会」は14日、中区のカトリック幟町教会で碑前祭を開いた。同会創立時の世話人で、1月に亡くなった詩人御庄博実(本名丸屋博)さんをしのぶ会も兼ね、会員たち約50人が、被爆70年の広島で平和を語り継ぐ大切さをかみしめた。

 御庄さんは、被爆医師として反核反戦の思いを紡いできた。しのぶ会では、母親が御庄さんと親交があった戸坂城山小4年中原調(しらべ)さん(10)が、劣化ウラン弾の脅威を編んだ詩「私の胸のふくらみに」を朗読した。

 また、県詩人協会などで親交があった詩人井野口慧子さん(70)は、最後の詩集「燕の歌」の表題作を朗読。「死のぎりぎりまで詩人として生き抜かれた」と悼んだ。

 しのぶ会に先立ち、俳優の高尾六平さん(73)が、民喜の作品や御庄さんとの出会いについて講演。地元の子どもたちによる合唱や詩の朗読もあった。

 碑前祭は民喜の命日(3月13日)に合わせて開いた。冒頭、参加者は、民喜の遺影に花を手向けた。(石井雄一)

(2015年3月15日朝刊掲載)

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