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核とジェンダー考察 広島でシンポ 40人参加

 広島、長崎の被爆の実態や核開発の経緯が国内外でどう表現されてきたか、ジェンダー(社会的性差)の視点から考えるシンポジウムが15日、広島市中区であった。敬和学園大(新潟県新発田市)の「戦争とジェンダー表象研究会」などの主催で約40人が聴講した。

 女性史研究者の加納実紀代さん(74)=川崎市多摩区=が、中区にある原爆の子の像や嵐の中の母子像など女性の原爆被害を訴える表現や、原水禁運動で女性たちが中心になった経緯を紹介。一方、「鉄腕アトム」など原子力の平和利用では男性の関わりが強調されたと分析した。

 終戦直後の米国、英国の写真週刊誌で被爆や核開発がどう伝えられたかという研究結果の発表もあった。きのこ雲の写真を掲載するなど抽象的な表現にとどまり、平和利用への期待感を示す論調が目立ったと指摘した。(長久豪佑)

(2015年3月16日朝刊掲載)

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