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将来見詰める 私の平和新聞 光・室積中2年73人 「学ぼうヒロシマ」活用

 光市室積新開の室積中の2年生73人が3学期、中国新聞社が中学生向けに制作した平和学習新聞「学ぼうヒロシマ」を読んで興味を持った記事の写真や見出し、地図などを切り抜き、自分が感じたことや平和への思いを記事にして新聞にまとめる学習をした。

 社会の時間などに「学ぼうヒロシマ」を取り入れた。世界各国の核兵器保有数などを地図にした「Q&Aヒロシマ」や、被爆者の証言の連載「記憶を受け継ぐ」を基に、自分なりの記事をまとめたり、感想を書いたりした。切り抜いた写真などと組み合わせてA4判1枚に編集した。

 佐藤れなさん(14)は武器製造工場などで中学生が働いていた写真を取り上げた。「私たちと同じ中学生が戦争の手伝いをしていたなんて。今は勉強できることが当たり前で、想像できない」と話す。

 6日、生徒は社会見学で広島市を訪れた。中区の平和記念公園で清掃活動をしたり、折り鶴の再利用の作業を手伝ったりした。佐藤さんたち4人が代表して、中国新聞社に新聞を寄贈した。

 小学校のときに平和記念公園を訪れて以来だったという国広蓮さん(14)は「あの時は『原爆って怖い』としか思わなかった。今回は被爆者の悔しさや悲しさを感じた」と振り返る。

 野田友恵教諭(28)は「平和について学ぶことで『人の役に立ちたい』など、自分の将来を見詰めることができたのでは」と話した。(滝尾明日香)

「学ぼうヒロシマ」
 中学・高校生向け平和学習新聞で、いずれもタブロイド判、カラー、24ページ。内容は、朝刊連載中の被爆者の証言記事「記憶を受け継ぐ」がメーン。中学1年~高校3年の中国新聞ジュニアライターが同行取材した感想も併せて載せている。中国新聞社が2013、14年、被爆体験を基に核兵器廃絶と平和を訴えてきた被爆地広島の願いを若者に受け継いでもらおうと、広島国際文化財団の協賛を得て制作した。

(2015年3月16日朝刊掲載)

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