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2号機再稼働10月以降 島根原発 ベント設置遅れ

 中国電力は16日、島根原子力発電所2号機(松江市鹿島町)の再稼働に必要なフィルター付き排気(ベント)設備の設置完了が、3月末から2015年度上期にずれ込むことを明らかにした。原子力規制委員会の適合性審査で、追加工事を求められたためで、2号機の再稼働は10月以降となる見通しも示した。同様に3月末としていた3号機の完成目標も15年度中とした。

 原発30キロ圏の島根、鳥取両県と両県6市の担当者17人を集め、松江市で開いた会議で今後のスケジュールを説明。終了後の取材に対し、中電島根原子力本部の長谷川千晃副本部長は2号機について「9月までの再稼働は難しい」と述べた。

 ベントは事故時に原子炉格納容器の圧力を下げるため、放射性物質を薄めて蒸気として排出する設備。中電は、2号機横の地下の格納フロアに、ガス状の放射性ヨウ素を薬液で取り除くフィルターの設置を進めている。規制委から薬液がフロアに漏れた場合の回収ルートの設置と、ベント設備を2個以上に増やすことを求められ、追加工事を決めた。

 また、規制委の指摘で昨年5月から9月にかけて実施した原発近くの海域にある三つの活断層の追加調査結果を公表した。原発北西の活断層を総延長約51・5キロから約48キロに、東の鳥取沖西部断層を約37キロから33キロに短縮。一方、西の大田沖断層は約47キロから53キロに延ばした。今後、規制委に調査結果を報告し、長さを確定する。(川井直哉)

(2015年3月17日朝刊掲載)

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