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めくる歴史 鎮魂風通し 原爆死没者名簿

■記者 山本賢二朗

 広島市中区の平和記念公園で18日、原爆慰霊碑に納めている原爆死没者名簿の「風通し」があった。市職員が26万9454人分を記した98冊を碑前に並べ、日差しや外気に当てた。近くで修学旅行生が見守った。

 原爆が投下された午前8時15分に市職員15人が黙とう。慰霊碑の石室から名簿を取り出した。白い手袋をはめ、1ページずつ丁寧にめくって乾かした。傷みがないか確認し、96冊を石室に戻した。

 残る2冊のうち1冊は、広島で被爆し昨年8月6日以降に亡くなったり、新たに死亡を確認したりした被爆者をこれから書き加える名簿。もう1冊は長崎で被爆し、遺族の希望で納められた8人分の名簿で、新たに申し出があれば加筆する。ともに8月6日の平和記念式典で慰霊碑に納める。

 修学旅行の引率で訪れ、生徒と見学した横浜市立もえぎ野中の福原加津明校長は「生徒に命の大切さを教えるいい機会になった」と話していた。

(2011年5月19日朝刊掲載)

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