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「核で物事解決せぬ」 広島知事 日本被団協も抗議 プーチン氏「核準備」発言

 広島県の湯崎英彦知事は17日の記者会見で、ロシアのプーチン大統領がウクライナ情勢に絡み核兵器使用の準備を命じていたと発言した問題について「核兵器では物事が解決しないことを、あらためて認識してほしい」と訴えた。日本被団協もこの日、抗議の声明を出した。

 湯崎知事は発言について「事実とすれば遺憾だ」とした上で、「ロシアに対する国際社会の信頼を大きく損ない、核兵器廃絶を望む世界中の人々をがっかりさせた」と批判。「核兵器のない世界の実現に努め、信頼回復を図ってほしい」と求めた。

 また湯崎知事は、オーストリア政府が核兵器禁止を呼び掛けた文書に日本政府が賛同しない方針を固めたことについて、「核兵器のない世界に向けて非常に重要な取り組みで、配慮がなされた文書でもある」と述べ、日本政府も賛同するべきだとの考えを示した。

 日本被団協も、プーチン氏の発言に「強い怒りをこめて抗議する」との声明を出した。声明では、原爆投下で傷ついた被爆者は、70年たっても「後遺障害で苦しんでいる」と強調。核兵器の非人道性に関する国際会議や共同声明も踏まえて「核兵器が使用されれば救済するすべがないことは、国際政治の共通の理解になっている」と指摘した。

 その上で、プーチン氏に「非人道きわまる核兵器の全廃への道を進むよう要求する」と訴えた。(松本恭治、藤村潤平)

(2015年3月18日朝刊掲載)

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