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風力発電構想を公表 上関町、自主財源確保狙う 山口

 山口県上関町の柏原重海町長は18日、町内の上盛山(314メートル)に大型の風力発電機2基を建設する構想を明らかにした。中国電力上関原発建設計画が凍結状態にある中、売電収入による自主財源確保などを目的に検討を進めていた。ただ原発推進派の町議1人から反対意見が出され、「一時保留にする」とも述べた。

 町議会一般質問に答えた。候補地は半径1キロ以内に集落のない同町長島の上盛山西側。羽根先までの高さが100メートルを超す出力2千キロワット級の2基を想定する。再生可能エネルギーの固定価格買い取り制度を利用した売電収入を1基当たり年間1億円と試算。総事業費は未定としている。

 町の2015年度一般会計当初予算案は14年度比25・7%減の32億5900万円。編成段階で財源不足は3億3千万円に上った。上関原発は準備工事が中断して4年。国からの原発関連交付金は大幅に減っており、町は風力発電を、原発に頼らないまちづくりの一環と位置付ける。

 福島第1原発事故以降、町は交付金で温浴施設や道の駅を整備。風力発電機の建設に伴う山頂までの接続道や公園の整備で一体的な観光振興を図る考えだ。

 町が構想を公表したのは初めて。柏原町長は「建設には住民代表である町議全員の賛同が必要」と強調。事業着手をいったん保留し、町民の反応も参考に最終判断する構えだ。(井上龍太郎)

(2015年3月19日朝刊掲載)

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