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小説は周防さん その他坂上アナ 広島本大賞

 広島県内の書店員たちが選ぶ第5回広島本大賞の受賞作が、小説部門は作家周防柳さん(50)=東京都=の「八月の青い蝶」(集英社)、その他部門が中国放送アナウンサー坂上俊次さん(39)=広島市西区=の「優勝請負人」(本分社)にそれぞれ決まった。

 「八月の青い蝶」は、軍人の子として広島で生まれ、被爆した父をモデルに切ない恋物語を描く。第26回小説すばる新人賞の受賞作「翅(はね)と虫ピン」を改題して出版された。周防さんは「地元でどう読まれるかが一番気になっていた。受賞はうれしいし、大きい。正直、ホッとした」と話す。

 スポーツ取材の経験豊かなアナウンサーが、広島ゆかりの指導者に光を当てた「優勝請負人」。ことしの箱根駅伝を制した青山学院大陸上部の原晋監督(広島・世羅高出)たち9人の指導法や半生に迫る。坂上さんは「広島のスポーツや指導者に目が向くきっかけになってほしい」と喜ぶ。

 広島本大賞実行委員会の委員長で、啓文社ゆめタウン呉店の三島政幸副店長(47)は「広島の魅力を発信する上で、一番ふさわしい作品になった」と話した。

 今回は2013年11月~14年10月に出版された新刊が対象。小説部門4点、その他部門6点の候補作から選び、発表は20日付。5月2日に、中区の紙屋町地下街シャレオ中央広場で授賞式を開く。(石井雄一)

(2015年3月20日朝刊掲載)

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