尖閣考えると理解できる なし崩し的 認められない 中国地方選出議員の反応 安保法制骨格 自公合意
15年3月23日
新たな安全保障法制に関する与党協議会は20日、関連法案の骨格で正式合意した。中国地方選出の与野党の国会議員からは、集団的自衛権の行使や、拡大する自衛隊の活動などをめぐって賛否が交錯した。
「あくまで現時点での、方向性についての合意だ」。与党協議会後、議論をリードしてきた自民党の高村正彦副総裁(山口1区)は、政府が今後、法案を作成した段階で、さらに協議を重ねる意向を強調した。
海上自衛隊呉基地(呉市)を地元に抱える自民党の寺田稔氏(広島5区)は、武力攻撃に至らない「グレーゾーン事態」対処について「中国の船がたびたび侵入する尖閣諸島の情勢を考えると理解できる」と評価した。
協議では、自衛隊の海外での活動を広げたい政府・自民党と、一定の歯止めをかけたい公明党という構図が目立った。統一地方選への影響を考慮し、さまざまな課題が先送りされた。公明党の斉藤鉄夫幹事長代行(比例中国)は「今後の法案化の作業で、党の主張をしっかりと反映させていく」と力を込めた。
一方の野党。民主党の江田五月最高顧問(参院岡山)は、閣議決定で集団的自衛権の行使容認に踏み切った安倍政権の手法をあらためて非難し、「閣議決定をなし崩し的に認めさせようとしているのであれば、認められない」。
共産党の大平喜信氏(比例中国)は「憲法9条を踏みにじり、戦争をする国づくりを進めるものだ。米国が行う戦争を、自衛隊がいつでも応援できる仕組みになる」と批判した。(城戸収、清水大慈、藤村潤平)
(2015年3月21日朝刊掲載)
「あくまで現時点での、方向性についての合意だ」。与党協議会後、議論をリードしてきた自民党の高村正彦副総裁(山口1区)は、政府が今後、法案を作成した段階で、さらに協議を重ねる意向を強調した。
海上自衛隊呉基地(呉市)を地元に抱える自民党の寺田稔氏(広島5区)は、武力攻撃に至らない「グレーゾーン事態」対処について「中国の船がたびたび侵入する尖閣諸島の情勢を考えると理解できる」と評価した。
協議では、自衛隊の海外での活動を広げたい政府・自民党と、一定の歯止めをかけたい公明党という構図が目立った。統一地方選への影響を考慮し、さまざまな課題が先送りされた。公明党の斉藤鉄夫幹事長代行(比例中国)は「今後の法案化の作業で、党の主張をしっかりと反映させていく」と力を込めた。
一方の野党。民主党の江田五月最高顧問(参院岡山)は、閣議決定で集団的自衛権の行使容認に踏み切った安倍政権の手法をあらためて非難し、「閣議決定をなし崩し的に認めさせようとしているのであれば、認められない」。
共産党の大平喜信氏(比例中国)は「憲法9条を踏みにじり、戦争をする国づくりを進めるものだ。米国が行う戦争を、自衛隊がいつでも応援できる仕組みになる」と批判した。(城戸収、清水大慈、藤村潤平)
(2015年3月21日朝刊掲載)