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米新型核実験 広島市長ら抗議文

■記者 金崎由美

 米国が昨年11月と今年3月に新たな核実験を実施していた事態を受け23日、広島市の松井一実市長をはじめ、広島県内の首長や議長が相次いでオバマ大統領、ルース駐日大使宛てなどに抗議文を送った。

 広島市中区の原爆資料館は、直近の核実験からの日数を示す「地球平和監視時計」を24日、リセットすることを決めた。米国が昨年9月15日に臨界前核実験を行っていたのが判明した10月13日以来。

 松井市長は抗議文で「被爆者をはじめ核兵器廃絶を求める多くの人々の願いに背く」と批判。実験について「核爆発を伴わないとはいえ、核兵器を持ち続ける意志を表したものとも受け取れる」と断じ、廃絶へ努力するよう求めた。広島市長が核実験に抗議文を出したのは596回目。

 広島県内では湯崎英彦知事が「核兵器廃絶を望む世界の人々に大きな落胆と不信感を与える」とする大統領宛の抗議文を在日米国大使館に送った。

 福山市の羽田皓市長は「世界平和の実現を求める人々の願いを無視した」、東広島市の蔵田義雄市長は「国際社会への重大な裏切り行為」、廿日市市の真野勝弘市長は「核軍縮、核廃絶に向けた世界的潮流に逆行する暴挙だ」と非難。尾道市の平谷祐宏市長、三原市の五藤康之市長も抗議文を出し、一切の核実験を中止などを求めた。


米新型核実験 被爆者、座り込み 広島平和記念公園


■記者 山本賢二朗

 米国による核兵器の性能を調べる新たな実験に抗議するため、被爆者団体や平和団体は23日、広島市中区の平和記念公園で相次ぎ座り込みをした。

 県被団協(坪井直理事長)や連合広島などでつくる核兵器廃絶広島平和連絡会議は、午後6時から約60人が原爆資料館本館の下に座り込んだ。連合広島の伊丹幸男会長が「われわれの思いを踏みにじり憤りを感じる」と批判。「ヒロシマからすべての核実験に強く抗議する」と書かれた横断幕を無言で掲げた。

 県原水協、もう一つの県被団協(金子一士理事長)は正午すぎ、同じ場所で約50人が30分座り込んだ。核実験禁止を求めるオバマ大統領宛ての抗議文を読み上げ、在日米大使館に郵送した。県原水協の高橋信雄代表理事は「オバマ大統領は核のない世界を言ったが、行動は矛盾している」と怒りを言葉にした。


プラハの公約に逆行 日本原水協が談話

■記者 金崎由美

 日本原水協(東京)は23日、「『核なき世界を追求する』とのプラハでの公約に逆行する。一切の核実験や核開発計画の放棄を求める」との安井正和事務局長の談話を発表。オバマ米大統領宛てで在日米大使館に送った。

(2011年5月24日朝刊掲載)

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