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朝鮮人被爆者「2世の会」が発足 広島県内で参加呼び掛け

 広島県内の朝鮮人被爆者の子どもたちでつくる「県朝鮮人被爆者2世の会」が21日、発足した。ことしの被爆70年に合わせ、県内の2世に参加を呼び掛け、被爆の記憶の継承を図る。北朝鮮で暮らす被爆者の実態も調べ、医療支援の拡充を日本政府に訴える考え。

 この日、広島市東区の広島朝鮮学園で発足会があり、40~60歳代の7人が役員に就任。会長に同学園の韓政美(ハン・ジョンミ)理事長(57)を選んだ。今後会員を募る。韓会長はあいさつで、母親が爆心地から約600メートルの空鞘稲生神社(中区)近くの自宅で被爆したと説明。「体験を風化させてはならない。課題解決に向け、責務を全うしたい」と力を込めた。

 これまで北朝鮮にいる被爆者の実態調査は、1975年に県内の朝鮮人被爆者が結成した県朝鮮人被爆者協議会(李実根(リ・シルグン)会長)がしてきた。2世の会は協議会とも協力して調査を進め、語り部の育成も目指す。

 発足会には、県被団協(坪井直理事長)被爆2世部会の遊川和良会長(68)も出席。「被爆者が高齢化する中、体験をどう継承するかという課題は同じ。交流を深めたい」と連携を誓った。(樋口浩二)

(2015年3月22日朝刊掲載)

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