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被爆者の立場から議論 パグウォッシュ会議 組織委員長が意欲

 核兵器廃絶を目指す科学者の世界的組織、パグウォッシュ会議の世界大会が11月に長崎市であるのを受け、組織委員長の鈴木達治郎・長崎大核兵器廃絶研究センター副センター長が23日、東京の日本記者クラブで会見した。被爆者との対話を通じて核兵器の非人道性の実感を深め、北東アジアの非核化などを議論するとアピールした。

 鈴木氏は、被爆地での開催意義を「参加者の多くは被爆地を訪れた経験がない。被爆者の立場から議論することが大切だ」と指摘。大会のテーマに「核なき世界、戦争の廃絶、人間性の回復をめざして」を掲げたと説明した。

 また、福島第1原発事故の教訓として「先端科学技術のリスクと科学者の責任を議論したい」と強調。「合理性だけでなく、人間性を忘れない議論をしたい」と意欲を示した。

 大会には、約40カ国から200人(うち日本は30人)が参加。5日間の議論の成果を長崎宣言としてまとめる。討論は非公開だが、基調講演や対話、一部のパネル討論は公開する。世界大会の日本開催は2005年の広島市以来、3回目。長崎市では初めてとなる。(藤村潤平)

(2015年3月24日朝刊掲載)

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